結露について

結露と空気と温度の関係

 まず、結露がどのようにして発生するのかを確認することからスタートいたします。結露は皆さんの誰しもが身近に体験されているもの。例えば、ビールをグラスに注いだときグラスの表面にできる水滴、これも結露現象です。空気が含むことのできる水蒸気の量は、温度によってことなります。空気は温度が高ければ多くの水蒸気を含むことができますが、低いときには少ししか含めません。

結露と空気の関係ある温度での空気が最大限に含むことのできる水蒸気を飽和水蒸気、そのときの空気を飽和空気と、それぞれ言います。その飽和空気をどんどん冷やしていくと、含まれている水蒸気が凝結し露となって現れます。この露が結露です。つまり、前述のビールグラスの例で証明するなら、25℃の環境下でグラスに5℃のビールを注げば、25℃の空気に含まれる水蒸気はグラス表面で5℃近くに急激に冷やされ、露となって付着する、ということなのです。

特に注意すべきは、見えないところの結露

 住まいにおいてもビールグラスと同じ状況があちこちで起きています。窓ガラスの結露、浴室の結露、壁紙の結露など。こうした”目に見えるところの結露”を「表面結露」と言います。これは拭くことで対処できますが、何と言っても恐いのは拭くことができない”目に見えないところの結露”。これを「内部結露」と言い、その代表としては「壁体内結露」が挙げられます。まさしく壁の中に発生する結露のことです。

 水蒸気は、温度の高い方から低い方へ相対湿度の高い方から低い方へ移動します。冬場、室内が温度も湿度も高い状態にあるのに対して、屋外は温度も湿度も低い状態です。このとき、室内の水蒸気が壁の中を通過して屋外に移動するわけですが、通過する際に温度が低くなって結露が発生してしまうのです。結露が起こる場所は、屋外に近い合板や繊維系断熱材。いったん露となった水分は壁の中からなかなか抜けません。夏場はこれと全く逆の現象が発生します。屋外から侵入した水蒸気が、室内に近い石膏ボードや壁紙の部分で結露を起こすのです。

結露によって引き起こされる2つの害

 「内部結露」は住宅・居住者にどのような害をもたらすのでしょうか?一つには住宅の耐久性の劣化が挙げられます。壁の中で結露が起きると、周辺の木材の含水率がどんどん高くなって腐朽菌が発生し、耐久力が著しく減少してしまいます。その結果、地震や台風の際に建物が倒壊してしまったりする可能性があるのです。

 もう一つの害はカビです。壁の中の結露によって発生したカビは、胞子を撒き散らしてシックハウスの原因にもなります。カビには色々な種類がありますが、特に黒カビの場合は、最悪、死に至ると発表している学者もいるほどです。

結露によって引き起こされる2つの害

結露対策に欠かすことのできない3つの要素

では、最後にこうした結露を防ぐ方法について触れたいと思います。結露解決には様々な対策がありますが、大きく言えば、以下の3つに集約できます。

1.住宅の気密化

壁の中に水蒸気の移動を発生させなければ結露は起こりません。これを具現化したのは、気密シート(防湿シート)です。また気密シートだけでなく、水蒸気の透過が極めて低い断熱材を使用することによっても同様の効果を上げることができます。しかし、中途半端な気密化では意味がありません。気密の低い部分から、空気とともに水蒸気が漏れ出して集中結露を引き起こす可能性があるからです。最新の研究結果では、結露発生の要因(水蒸気の移動)は、99%が空気によって移動すると言われています。ですから、確かな高気密化は特に大切です。

2.住宅の断熱

住宅を高断熱することももちろん重要です。室内と室外の温度差をしっかりと受け止め、熱を通さず逃がさない、優れた断熱材が必要になります。

3.24時間の換気

住宅内で発生した水蒸気を、屋外へ確実に排出して逃がしてやることも大切な要素です。そのためには24時間の計画換気が必須であると言えます。

 ただし、この3つの要素は連携していなければ意味がありません。いくら断熱材を厚くしても隙間だらけでは意味がありません。冷蔵庫に隙間が開いていたら・・・と考えると分かりやすいでしょう。また、いくら高気密・高断熱にしても、換気を確保しなければ室内の水蒸気がどんどん増え、結露の原因となってしまいます。この3つの要素が高いレベルで一体となって、初めて充分な結露対策が完成するのです。

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