温度のバリアフリー

段差解消のバリアフリーは行政の補助金制度もあってかなり行き渡っています。

でも温度のバリアフリーはあまり話題にさえなっていません。ところが東京都老人
研究所の年間の推計によるとこの温度の段差(ヒートショック)での事故死は交通
事故死のおよそ3倍弱、特に12月から3月にかけての入浴中の死亡例が最も多いと
発表しています。

冬の寒い日にヒートショックが起きやすい場所は、浴室とトイレ室。脱衣所や浴室の
室温と湯の熱さとの間の温度差はなんと30℃。冬の朝、暖かい布団の中から真っ先に
行く先はトイレ、このトイレの室温は外気とほぼ同じに温度に下がっていて布団との
温度差はおよそ35℃、ここにもヒートショックの危険が潜んでいます。

もう一つ危険なのは床暖房です。気持ちよさそうに寝そべる赤ちゃんのコマーシャル
を見て憧れる床暖房にもヒートショックの危険が潜んでいるのです。つま先の毛細血
管が26℃以上に暖められたフローリングから冷え切ったフローリングに触れた時、
血管は収縮して脳血栓の危険があるのです。仮りに全室床暖房している家があった
としても押入れやクローゼットの中までは行っていないでしょう床暖房をしている
部屋の暖気は冷たい箇所へと移動を始めます。その温度差が露点(結露する温度差)
に達すると冷たい箇所で表面結露が発生するのです。結露による浮遊菌をえさにダニ
が繁殖しそこに住む人に悪さをします。昔の日本に言葉さえなかったシックハウス
症候群やヒートショックは気密断熱材で建物を密閉してしまった近代日本の住まいが
引き起こす現代病といっても過言ではありません。

寒いから暖めるは間違いです、暖めるのではなく頭寒足熱の室内環境にすることで
室内温度が17℃か18℃でも室内空間は快適でとても過ごしやすくなります。